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わたの原
八十島かけて
こぎいでぬと
人には告げよ
あまのつり舟
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
天つ風
雲のかよひ路
吹きとぢよ
をとめの姿
しばしとどめむ
あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ
筑波嶺の
峰よりおつる
みなの川
こひぞつもりて
淵となりぬる
つくばねの みねよりおつる みなのがは こひぞつもりて ふちとなりぬる
みちのくの
しのぶもぢずり
誰ゆゑに
乱れそめにし
われならなくに
みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに みだれそめにし われならなくに
君がため
春の野にいでて
若葉つむ
わが衣手に
雪はふりつつ
きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ
立ちわかれ
いなばの山の
峰に生ふる
まつとし聞かば
いま帰り来む
たちわかれ いなばのやまの みねにおふる まつとしきかば いまかへりこむ
■17 在原業平朝臣
(ありわらのなりひらあそん)
ちはやぶる
神代もきかず
竜田川
からくれなゐに
水くくるとは
ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは
■18 藤原敏行朝臣
(ふじわらのとしゆきあそん)
すみの江の
岸による波
よるさへや
夢のかよひ路
人めよくらむ
すみのえの きしによるなみ よるさへや ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ