91 92 93 94 95
96 97 98 99 100
■91 後京極摂政前太政大臣
(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)
きりぎりす
鳴くや霜夜の
さむしろに
衣かたしき
ひとりかも寝む
きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ
わが袖は
潮干に見えぬ
沖の石の
人こそしらね
かわくまもなし
わがそでは しほひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし
世の中は
常にもがもな
なぎさこぐ
あまの小舟の
綱手かなしも
よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのをぶねの つなでかなしも
み吉野の
山の秋風
さ夜更けて
ふるさと寒く
衣うつなり
みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり
■95 前大僧正慈円
(さきのだいそうじょうじえん)
おほけなく
うき世の民に
おほふかな
わがたつ杣に
墨染の袖
おほけなく うきよのたみに おほふかな わがたつそまに すみぞめのそで
■96 入道前太政大臣
(にゅうどうさきのだいじょうだいじん)
花さそふ
嵐の庭の
雪ならで
ふりゆくものは
わが身なりけり
はなさそふ あらしのにはの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり
来ぬ人を
まつほの浦の
夕なぎに
焼くやもしほの
身もこがれつつ
こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎに やくやもしほの みもこがれつつ
風そよぐ
ならの小川の
夕ぐれは
みそぎぞ夏の
しるしなりける
かぜそよぐ ならのをがはの ゆふぐれは みそぎぞなつの しるしなりける
人もをし
人もうらめし
あぢきなく
世を思ふゆゑに
物思ふ身は
ひともをし ひともうらめし あぢきなく よをおもふゆゑに ものおもふみは
ももしきや
ふるき軒ばの
しのぶにも
なほあまりある
昔なりけり
ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほあまりある むかしなりけり
知恵袋メニューへ
■『声の図書館』へ
|
|
(C)株式会社右文書院
(C)株式会社 トラストサービス
(C)株式会社 伊藤弘康企画事務所
|
|